異界彷徨
展示物 面など
展示物 河童図
展示物 凧
展示物 守刀・守袋など
天狗像 左 天狗像 右

異界彷徨

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身近に潜む“異界”へ

古くから、
人びとは自分たちのいるところとは
異なる世界、
すなわち「異界」を意識してきた。 狐の面 狐の面

人知の及ばない現象は、
異界の住人が引き起こすものであると
畏怖し、
我が身に降りかかる災いは、
他界に属する神や仏への
ひたむきな祈りによって退けようとした。 展示物 展示物

新たに生まれる命を喜び、
成長を祝い、
また死者を手厚く弔う際にも、
さまざまな儀礼を行ってきた。 守刀・守袋 守刀・守袋

天変地異や災厄の原因を理解し、
生の苦しみや死の恐怖を克服するために
人びとはこの世ならざる世界を
想像してきたのであり、
異界とは私たちの生活を基層で
支える概念ともいえるものである。 展示物 展示物

大阪張り子 神農の虎 大阪張り子 神農の虎

本展では当館の館蔵品を中心に、
民間信仰にかかわる器物や
祈願品などの民俗資料をはじめ、
祭祀具や副葬品などの考古資料、
他界観や神仏、妖怪などをあらわした
絵画資料や歴史資料など、
異界にまつわる資料を紹介する。 流し雛 流し雛

さまざまな状況であらわれ出る異界を、
私たちはどのように捉え、
交渉し、また対応してきたのか。 展示物 展示物

このことについて、
さまざまな視点を交えて
考える契機とする。

展示物 展示物

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「異界彷徨」の最新情報は
こちらをご覧ください。

出品一覧 出品一覧

本展では当館の館蔵品を中心に、
「怪異と幻想」・「祈りと願い」・「生と死」
の3部構成で
異界にまつわるさまざまな資料を
紹介します。

第1章 怪異と幻想 第1章 怪異と幻想

 古代の人びとは、動物の大量発生や奇異な天文現象などを凶兆として解釈した。時代が進むにつれ、天変地異や疫病などの災厄をもたらす存在が具体的に想像され、それらには名前や姿が与えられた。今日、妖怪と呼ばれるものの多くはこのように発生した。人智の及ばぬ事象や自然への畏敬の念が怪異を生み、人びとの間を跋扈( ばっこ ) していったのである。

『天狗像』画像

『天狗像』

天狗像

江戸時代後期~明治時代 
大阪歴史博物館蔵(中尾堅一郎氏寄贈)

小天狗と大天狗が向かいあい、その足元には流水がみえる。さらにその奥、水源には羽団扇と巻物を持つ天狗が坐す。天狗が持物( じもつ ) として巻物を持つ例は珍しく、修験道の開祖ともされる役行者が経巻( えんのぎょうじゃ きょうかん ) を持つことから、本図と山岳宗教との関係性が想像できる。

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『河童図』画像

『河童図』

河童図

江戸時代後期~明治時代 
大阪歴史博物館蔵(堀田コレクション)

(部分)
(部分)

幕末から明治時代の博物学者・堀田龍之助旧蔵の博物資料。図像は文政3年(1820)編纂の『水虎考略 ( すいここうりゃく ) 』を参考にしたものと思われる。「河童」は近世以降に発生した妖怪で、本資料からは同時代における河童という不思議な生物への関心の深さがうかがえる。

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そのほかの主な資料

片袖縁起絵巻
土佐光芳筆 江戸時代 大念佛寺蔵
百鬼夜行図
明治時代 本館蔵(小山敏子氏寄贈)
阿波人形 山姥( やまんば )
明治時代 本館蔵
鹿角彫根付 元興寺( がごぜ )
藤井安剛作 本館蔵(渡邊正憲氏寄贈)
『一角纂考』
寛政7年(1795) 
本館蔵(堀田コレクション) 
など

第2章 祈りと願い 第2章 祈りと願い

 科学万能の時代が到来する以前、日々の暮らしに安寧をもたらすためには、異界の力に頼るほかなかった。病を避けるには魔物を退ける呪術、つまり魔除けを施し、経済の安定をはかるには現世利益( げんせりやく ) を叶える神仏に願いを伝え、吉祥を引き寄せてきた。そうして、人びとのなかでは、まさに生活の知恵として多彩な信仰が伝承されてきたのである。

『朱鍾馗図』丹羽桃渓筆

朱鍾馗( しゅしょうき ) 図』
丹羽桃渓( にわとうけい )

朱鍾馗( しゅしょうき ) 図 丹羽桃渓( に わ とうけい )

文化8年(1811) 
大阪歴史博物館蔵(松村恭一氏寄贈)

「朱鍾馗」は退魔の呪力をはらむ赤色で鍾馗を描く画題。後ろを振り返る鍾馗の左手には小鬼が捕らえられ、叫ぶかのように大口を開けている。右下には「辛未端午 ( しんびたんご ) 」とあり、端午の節句に飾られたと思われる。作者の丹羽桃渓(1760~1822)は江戸時代の大坂で活躍した絵師。

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守刀・守袋

 守刀・守袋 ( まもりがたな まもりぶくろ )

守刀・守袋 ( まもりがたな まもりぶくろ )

江戸時代後期~明治時代 
大阪歴史博物館蔵(鴻池善右衞門氏寄贈)

大坂の豪商・鴻池家に伝来した婚礼道具。守刀は魔除けのための刀剣で、結婚に際し花嫁に持たせるという風習がある。古くから刀剣には退魔の力があると信じら、鉄の霊力と刃の切断力を呪力の根幹とする。守袋は護符を入れる小型の袋で、こちらも災害や病気などを避けるためのもの。

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そのほかの主な資料

【重要文化財】十二天像
鎌倉時代 本館蔵(前田善衛氏寄贈)

※期間中、展示替えあり

【大阪府指定文化財】星曼荼羅図
南北朝時代 本館蔵(前田善衛氏寄贈)
伊達政宗起請文
慶長4年(1599)4月5日 
本館蔵(谷野弥太郎氏寄贈)
願懸重宝記( がんかけちょうほうき )
文化13年(1816) 本館蔵
節分お化けの衣装
明治時代~大正時代 
本館蔵(宮里圭子氏寄贈) 
など

第3章 生と死 第3章 生と死

 生と死は、自分自身に起こった、また、起こることであるにもかかわらず、その全貌を知覚しえない事柄である。ゆえに、そこには異界の想像力がはたらく。新たな命の誕生はいまなお神秘的であり、異界の力を感じざるをえない。だから、私たちは出産の安全を祈り、折々で子の成長を寿ぐ。それほどまでに安寧を願っても、死は避けられない。死は恐ろしく、そして悲しい。死後の世界を想い、亡き人を手厚く葬ることは、故人だけでなく残された者の心も救ったのであろう。

『朱鍾馗図』丹羽桃渓筆

『地こく変』
菅楯彦( すが たてひこ )

地こく変 菅楯彦( すがたてひこ )

明治41年(1908) 大阪歴史博物館蔵

(部分)

近代大阪の画家・菅楯彦(1878〜1963)が明治41年に高野山を訪ねた折に描いたもの。

この場面では、獄卒が連れてきた亡者を、閻魔王が身を乗り出し喝破している。全体が戯画的に描かれ、地獄の裁きという戦慄の光景にも関わらず、どこか親しみのある絵となっている。

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守刀・守袋

千日三昧( さんまい ) 略絵図

千日三昧( さんまい ) 略絵図

江戸時代 大阪歴史博物館蔵

現在の大阪市千日前二丁目には、江戸時代の大坂七墓のひとつ、千日墓所があり、荼毘( だび ) 所や刑場が併設されていた。ここでは三昧聖( さんまいひじり ) という半僧半俗の宗教者が墓所を管理していたが、彼らは行基を自らの祖とする伝承を持つ。絵図の上方にも行基の石碑が描かれ、その関係性がうかがえる。

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そのほかの主な資料

宮参り着物・羽織
昭和時代 本館蔵(蘆田雅子氏寄贈)
九相詩絵巻
大永7年(1527) 大念佛寺蔵
五趣生死( ごしゅしょうじ ) 之図
嘉永3年(1850) 本館蔵
紺紙金泥三尊仏図
室町時代~江戸時代 本館蔵
梅田墓出土遺物
江戸時代後期~明治時代 
大阪市教育委員会蔵

関連行事・イベント 関連行事・イベント

講演会 「異界を覗く
―日本人の幻想世界―

妖怪・民間信仰研究の
第一人者である小松和彦氏に、
異界と日本人の関係について
ご講演いただきます。

5 13
会期 2023年5月13日(土)
14:00~15:30
(受付13:30~)
会場 大阪歴史博物館 4階 講堂
定員 250名(要事前申込)
講師 小松和彦氏
(国際日本文化研究センター 名誉教授)
参加費 500円
参加方法 事前予約制
参加券はチケット予約サイト
『PassMarket』でお申し込みください。

学芸員による
スライドトーク

展覧会担当者が
おもな展示資料や展示のみどころを
解説いたします。

4 29
5 27
6 10
6 24
会期 2023年
4月29日(土・祝)・
5月27日(土)・
6月10日(土)・6月24日(土)
各回14:00〜約30分程度
(受付13:30~)
会場 大阪歴史博物館4階 講堂
定員 180名(当日先着順)
登壇者 俵 和馬(大阪歴史博物館 学芸員)
参加費 無料(常設展の観覧券もしくは半券提示が必要です)
参加方法 当日先着順

チケット チケット

常設展示観覧券でご覧になれます

大人

個人 600(税込)

団体 540(税込)

高校生・大学生

個人 400 円(税込)

団体 360 円(税込)

  • ※団体は20名以上で、割引料金になります。
  • ※オンラインチケットでは団体割引券の取扱いはございません。
  • ※20名以上の団体、各種割引券等をお持ちの方は、博物館受付窓口でチケットをご購入ください。
  • ※中学生以下・大阪市内在住の65歳以上(要証明証提示)の方、障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。

※ チケット購入に関しては、
リンク先ページの詳細をご確認ください。

展覧会概要 展覧会概要

会期

2023428日(金)〜
626日(月)

開館時間

9:30から17:00まで

※ただし、入館は閉館の30分前まで

休館日

火曜日

※ 5月2日(火)は開館しています

会場

大阪歴史博物館 6階 特別展示室
〒540-0008
大阪市中央区大手前4丁目1-32

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アクセス

Osaka Metro谷町線・中央線
「谷町四丁目」駅 ②号・⑨号出口
大阪シティバス「馬場町」バス停前

主催

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TEL : 06-6946-5728
FAX : 06-6946-2662

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展示室内での会話はできるかぎり
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新型コロナウイルス感染症の
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会期等に変更が生じる場合が
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